【現像ソフト】silkypix developer studio pro 10の評価

写真ソフト
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SILKYPIX Developer Studio Pro10を使ってみた

今回はサブスクリプション型ではない買い切り型のRAW現像ソフトを求めてSILKYPIX Developer Studio Pro10を使ってみました。

このSILKYPIXは国産メーカーの製品なんですが、何故かイマイチ人気がありません。

お値段も買い切り型で安く、日本製という安心感があるのにです。

そこでこの疑問を解消すべく、今回はSILKYPIXを実際に体験してみて、その性能を辛口評価していきたいと思います。

SILKYPIXとは

SILKYPIX(シルキーピックス)は、市川ソフトラボラトリーが開発・発売している、国産RAW現像ソフトです。

このソフトは実は結構歴史が古く15年も続く老舗ソフトウェアです。

以前は、純正の現像ソフトの代わりにカメラを買うとバンドルされていることも多かったソフトです。
(このことから、オーソドックスな仕様で癖のない製品になっています。今では純正の現像ソフトにかなり似ています。)

またかつてはPCの負荷がとても大きく、かなりのハイスペックPCでなければ使えなかったソフトです。

種類

SILKYPIXには

プロフェッショナル版(最上位版)の「SILKYPIX Developer Studio Pro10」

スタンダード版の「SILKYPIX Developer Studio 10」

JPEG専用版の「SILKYPIX JPEG Photography 9」

があります。

RAW現像ソフトとして使う場合は上の二つが該当します。

上の二つの差は主に写真の合成機能が使えるかどうかの差になります。

じゃあ写真の合成はしないから、スタンダード版でいいやとお思いかもしれませんが、そうなるとSILKYPIXの長所の半分くらいを体験出来ません。

そしてそうなると、もはやカメラメーカー純正の現像ソフトと大差なくなってしまいます。

よって少し値段は張りますが是非プロフェッショナル版の「SILKYPIX Developer Studio Pro10」を買いましょう。

なお、それぞれ体験版がありますので使ってみて買われるのも良いと思います。

シルキーピックスの価格

「SILKYPIX Developer Studio Pro10」で20000円前後でダウンロード版が販売されています。(セールなどによって価格は前後します。)

パッケージ版より1万円ほどダウンロード版は安く買えます。

また「SILKYPIX Developer Studio Pro10」はAdobeのLightroomのようにサブスクリプションではない買い切り型なので一度買えば永久に使えて、毎月の使用料はかかりません。

長所

使い方が簡単

機能が割と制限されている(目新しい機能がない)、また従来からの機能の承継が多い分使い方は結構簡単です。

Lightroomなどを使い慣れている方などは初見でも操作することができると思います。

そういう意味ではカメラメーカー純正の現像ソフトとかなり似ていると思います。

起動が早い

アプリケーションの起動時間が爆速です。

アプリケーションの起ち上げのためにアイコンをクリックしてからすぐに作業を始めることが出来ます。

軽い

とにかく編集の適用、フィルター処理と何から何まで動作が軽快です。

アプリケーションの挙動のタイムラグによるストレスがまったく貯まりません。

書き出しが早い

現像処理のときの書き出しの時間は重要です。

一枚しか現像しないのであれば気になりませんが、何百枚も現像するとなると一枚あたりの現像にかかる時間は短い方が良いです。

その点このSILKYPIXは書き出しにかかる一枚当たりの時間がとても短いです。

アルバム表示などが早い

最初のアルバムのサムネ作成、アプリケーションを起ち上げてからのアルバム表示、アルバムをスライドさせたときの写真の表示、アルバムから編集画面への移動といい何から何まで全ての動きが素早いです。

フルサイズのRAW画像でもかなり早いです。

どれくらい早いかというとLightroomやカメラメーカーの純正の現像ソフトより早いです。

よって写真の選別のためだけのアルバム表示のためだけにでもこのソフトを使いたいというくらいストレスなく軽快に写真の一覧を見ることが出来ます。

画質劣化が少ない

僕がこのSILKYPIXの最大のウリだと考えているポイントはここだと思います。

RAWで画像の補正をするとどんな現像ソフトを使っても多少なりとも画質の劣化をしてしまいます。

LightroomでもLuminarでもです。

ただ、このソフトの名前のSILKYPIXの通り(なめらかなPixel)、このソフトでは画像補正における画質の劣化がかなり少ないと思います。

補正後でも画像がシャープでとてもきれいです。

拡大してもギザギザになったりすることが少なくとてもなめらかです。

正直これは結構感動します。

写真の画質にこだわるという方はには絶対にSILKYPIXをおすすめします。

合成に強い

夜のシーンで有利

公式サイトより抜粋
公式サイトより抜粋

上の画像のように打ち上げられたいくつかの花火写真を重ね合わせること(比較明合成)でたくさんの写真が打ち上げられたような華やかな作品にする合成写真を作ることができます

これは他のソフトでも出来ますが、SILKYPIXがより綺麗に仕上げられます。
またカメラ内で合成出来る機種もありますが、SILKYPIXを使えば、写真現像時に合成することができ、現場で時間をとることもありません

合成の割合などの微調整も可能です。

また、下の画像のように手持ちで撮影された夜景写真を複数枚重ね合わせることで、少しのブレを修正(カメラにある手持ち夜景撮影機能と同じ)して、三脚で撮影されたような写真にすることが出来ます。

これもカメラ内で出来る場合が多いですね。

しかし、SILKYPIXならば現場ではブレてないと思って撮影しても、後から現像時に気づいてブレを修正することが可能です。

夜景などの手持ち撮影の強い味方ですね。
(※後からブレを修正するには同じ撮影場所で同じ画角の写真を連写等で撮っておく必要があります。)

ボケ味の調整が可能

(※結構雑に作ってますし、現実ではありえないボケ方ですが、ボケの部分だけ御覧ください。どうですか?)

前ボケ、後ろボケ、人物の背景のボケなどを現像段階で調整できることがウリみたいです。

後からボケを変えられるなんて、撮影失敗しても挽回できるし、現場でカメラの操作や構図を考えなくて良いなんて夢のようですね。

最近の合成写真やSNSに慣れた方だと特に違和感を感じずに撮影がとても楽になり、高いレンズを買わなくてよくなり、SILKYPIXの恩恵をかなり受けることができると思います。

(でも、撮影慣れしてるカメラマン(特にレンズにこだわる方)、美的感覚が鋭い方にはどうしてもかなり合成的な違和感のある写真になってしまいますまたボケを綺麗に作るには被写界深度などのレンズに関する深い知識が必要になってきます。何も考えずに適当にボケを作ると上の画像みたいなどう考えてもおかしいボケのある写真になります。)

個人的にはボケの調整機能はSNSや合成写真など派手さが要求される場面に限って言えば結構使える機能なのかなと思います。

欠点

やれることが少なすぎる

自動補正やフィルター処理は以下の通りほとんど使い物になりません。

確かに写真の合成は細かく出来ますが、それはPhotoshopでもGIMPでもフリーソフトでも簡単に出来ますし、そもそもそこまで合成写真を作る機会は少ないと思います。

では、手動での細かい写真の調整(露出やWBや彩度など)ができるのかというとこれはさすがに出来ます。

でも、これって今やカメラメーカーが無料で出している現像ソフトでもそこそこは出来てしまうんですよね。

もちろんSILKYPIXはカメラメーカーの現像ソフトよりはさらに微調整出来ますが、正直そのレベルまでいくと、出来あがった写真はよっぽどこだわる方以外は違いがわからないと思います。
(最近は純正の現像ソフトも結構高性能になっているメーカーもありますし…)

以上より写真の合成と基本的な補正以外はほとんどやれることはないと言えます。

なおSILKYPIXの宣伝を担当している写真家の大村祐里子氏はYou Tubeで同ソフトの好きな点に①どのカメラRAW画像も開ける②国産ソフトなのでユーザーインターフェイスの日本語が熟れている③処理速度が早いを上げています。
③については上でも書きましたが全くその通りです。
でも①②については「おいおい」ですね。今はどの現像ソフトでも①②は満たしてると思いますし。
それくらい、特筆すべき点が少ないということなのでしょう。

自動補正の精度が低すぎる

上の画像が元の写真です。

雨の日で暗く写ってしまった失敗写真ですので、自動補正で明るくしてみました。
(下の図の赤丸で囲まれたボタンが自動補正です。)

そして補正画像が下の画像です。

どうでしょうか?

確かに明るくはなりましたが…

なんか色味や色温度が全然違いませんか?

確かに初めからこんな感じの写真を期待していたのであれば良いですが、そうでなければ、ここまで元写真から変わってしまうと、ここから手作業で微調整で完成させるということは難しいですね。

自動補正をカスタマイズなどすればよいのかもしれませんが、それはもはや自動補正と言えるのかわかりません。

よって、SILKYPIXの自動補正は使いづらいと言えると思います。

簡易補正(フィルター)の量が少ない、質が悪い

公式では標準の70種類のフィルター(SILKYPIXでは「テイスト」という)が搭載されていて、写真編集が楽になるということが書いてありますが、70種類って少ないと思います。

さらにそのフィルターの中身はセピアや白黒、グレイカラーなんてのも含みます。

また上の赤一色のフィルターなんてそんなに使う機会ないですよね…
(僕はそんなに使う機会ないです。芸術的な写真を作るときにでも使うのでしょうか。)

こんな一色のカラーフィルターなんかもこの70種類の中にはかなり含まれています。

そう考えるとソフトに搭載されていて、使えるフィルターって実質そんなに多くはありません。

よって簡易的な写真編集という点ではマイナスというしかありません
(まぁ自分で調整するか、自力でフィルターを作れってことでしょう…)

インターフェイスが使いにくい

SILKYPIXのインターフェイスはシンプルだと思います。

ただそれなのにどことなく使いにくい…

どこに何があるか直感的にわかりにくいですし、けっこうゴチャゴチャしてる印象を受けます。

使いこなすには機能の割りに慣れが必要かもしれません。

(ただこれは現代の他のRAW現像ソフトとの比較であり、昔のRAW現像ソフトにインターフェイスは似ているので、昔のRAW現像を使ったことがある方ならば、馴染みやすいかもしれません。)

急に落ちる

これは致命的です。

下のメモリの問題とは関係なく(メモリの使用量が少なくても)、急にソフトが落ちます。
(なお、その他のスペックは当たり前ですが、推奨スペックを満たしていますし、CPU温度等も適正に保った上でです。)

原因は全くわかりません。

そして何より問題なのが、今まで編集していた内容も一緒に消えるということです。

今までの労力は水の泡になります。

これでは安心して使えません。

(SILKYPIXは新興のソフトではありません。15年近く歴史を持ち、ナンバリングも10まである結構古いソフトです。ということはさすがにこの欠陥は軽く評価することは出来ません。)

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CPUやメモリの容量を使いすぎる

キャッシュ処理が苦手

メインメモリが32GBのpcだと100枚程度の編集と現像が限界です。16GBのPCだと30~40枚の編集と現像が限界でしょう。

一枚編集するごとに最低200MB程度がメモリにそのままキャッシュ(残って)されていきます。

まぁここまでは仕方ないにしても、問題は10枚程度編集したあとも自動で古いキャッシュが消去されないことです。

確かにその方が、もう一度その写真を編集するときには素早く写真と編集内容を表示できて楽なのですが、メモリをバカ食いしてしまいすぐに、メモリが一杯になってソフトが落ちてしまいます。

CPUの必要スペックはとにかく高い

最低動作環境はこんな感じみたいです。

Microsoft® Windows® 10 / 8.1 64bit版
※Microsoft® Windows® 10のタブレットモードには対応しておりません。
※32bit版のOSには対応しておりません。
Intel® Core™ 2 Duo 以上 または AMD Athlon™ 64 X2 以上のプロセッサー
DirectX 10以上に対応したグラフィックボード
4GB以上のRAM(8GB以上推奨)
10GB以上の空き容量のあるハードディスク
1,024×768 以上の画面解像度をサポートするディスプレイ

でも正直こんなのでは全然足りません。

上のようにメモリは32GBは欲しいですし、CPUもインテルCorei5程度ではアプリケーションを起動して簡単な作業をするだけでもCPU使用率100%になってしまいます。

よってCPUはCorei7以上をオススメします

本当にそれくらいこのSILKYPIXはCPUを使います。

正直SILKYPIXのメモリ、CPUのPCへの負荷は半端ないです。
できるだけハイスペックPCで使われることをオススメします。

ウリの合成機能は必要スペックが高すぎる

SILKYPIXの最大のウリは上でも書いた合成機能だと思います。
(というよりこれしかない…)

でもこの機能半端なスペックのPCだとまともに使えません

ガンガンフリーズしたり落ちたりします

一般向けのハイスペックPCでは足らずにクリエイター向けの超ハイスペックPCが必要かもしれません。

ちなみにCPUはCorei9、メモリ64GB、SSD等の動画編集用のそこそこハイスペックなPCだと安定して使えるみたいです。

マニュアルが使いにくい

公式サイトにあるマニュアルや使い方の解説がとにかく使いにくい、分かりづらいです。

経費節減の目的で現場のエンジニアが書いたのでしょうか。

一般向けの使い方マニュアルは仕様書書いてるわけではないので、端的に書けば良いというわけではなく出来るだけ丁寧に書く必要があると思います。

また、使い方解説や機能紹介などがどことなく味気なく、この機能使ってみようという気持ちにさせないところも問題です。

(この点は最近は広報に力を入れていて改善されてきている部分もあります。)

利用者が少ない

SILKYPIXは国産のソフトなので、ユーザーはほぼ国内に限定され、あまり人気のあるソフトではないので、ユーザー数は少ないです。

そうなると、ユーザー間の情報交換が出来なかったり、フィルター(テイスト)の共有が出来なかったりと不便です。

あの写真と同じような味付けをした写真を作りたいからあのフィルターが欲しいなんてことも出来ません。

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まとめ

SILKYPIXはRAW現像でトリミングや濾出補正、ホワイトバランスの調整くらいなどの簡単な処理だけをするという方にはかなり良いソフトだと思います。

なんといっても起動、アルバム、表示、現像が爆速なので写真の選別がしやすく、ストレスが貯まりません

この速さって大したことないことのように思えますが何百枚、何千枚の写真を選別、編集、現像するとなるとかなり重要になってきます。

(このソフトは撮って出しに近い写真、画質を重視する古き良き時代の現像ソフトって感じが個人的にはします。ネイチャーフォトや報道写真向き?
そういう意味ではレンズやカメラ技術だけで自分の思ってる世界観を表現できるプロ向けのソフトという感じです。)

以上まとめると

  • 簡単な処理が出来れば良い
  • 写真の選別を楽にしたい
  • とにかく速さが欲しい
  • 画質を重視したい

というような方には是非オススメしたい現像ソフトです。

LuminarAIと一緒に使う

LuminarSIはAIによる自動補正やフィルター処理、背景置換など大量の写真の補正や合成に優れたソフトです。

ただし、画質の維持やレンズ補正、ノイズリダクションなどの細かい処理や大量の画像のアルバム表示は(改善されかなり実用的になった)まだまだAdobeのLightroomとPhotoshopの組み合わせには及ばないと言えると思います。

しかしその弱点をシルキーピックスで補え合えば、現像作業はかなり楽になると思います。

例えば、写真の選別目的や、あまり補正や味付けをせずに、簡単な処理のみで撮って出しに近い形で写真を完成させる場合にはSILKYPIXを使って(とにかく動作が軽いので)、しっかり写真を補正修正、作品に仕上げる場合や、大量の写真を補正したい場合などにはLuminarAIを使うという感じが良いのではないでしょうか。

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